連続ドラマ小説「ニホンちゃん」補完・議論用スレ７第6話「せんべい売りの少女」　作：U-33

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第6話 U-33 ◆JOCEixq6zU 投稿日： 2006/12/23(土) 14:40:05 ID:qKuyHi/w: ニホンちゃん番外編『せんべい売りの少女』

　ニホンちゃんはマンガを書くのが得意です。でも、マンガを描くときはいつも自分で
ストーリーを考えるとは限りません。時にはお友達が作ったお話をマンガにすることも
あるのです。以前、エリザベスちゃんが書いた画家志望の少年とその愛犬のお話を原作
にして、悲しいストーリーのマンガを描いたときも学校中の大評判になりました。
　ところが、アメリー君はこのお話が好きではありません。
「あの話、最後に主人公が死んじゃうのがかわいそうすぎてやだなあ」
　それを聞いたニホンちゃんは、ちょっとからかうような口調で言いました。
「そういうお話を読むと泣いちゃうからでしょ」
　するとアメリー君はむっとして憎まれ口を叩くのです。
「主人公が死ぬことでしか感動させられないなんて、安直すぎるよ」
　そんな言いかたをされると、ニホンちゃんも気分を害して言い返します。
「それじゃ、まるでそれ以外に感動させる話が作れないから主人公を殺してるみたいじゃない」
「違う？だったら、主人公を殺さないで感動させてみてよ」
「わかったわ。じゃあ、やってみるからね」
　売り言葉に買い言葉、ニホンちゃんは主人公が死なないお話を作る約束をしたのでした。

　翌週、ニホンちゃんは、出来たてのマンガをアメリー君に渡して言いました。
「低学年のラスカちゃんにも読みやすく書いたから、家族みんなで読んでね」

　家に帰ったアメリー君が早速頁を開いてみると、そこにはこんなタイトルが書かれていました。
『せんべい売りの少女』
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「おせんべいはいかがですか。おいしいぬれせんべいを買ってください」
　ジングルベルのメロディーが流れるイブの夕方、貧しい身なりの少女が街角に立っていました。
　少女が手にしたカゴの中に入っているのは、焼きたてのおせんべいです。

　少女のお父さんは、この町で馬車の御者をして一家を養っていました。
　でも、人のよいお父さんは悪い人にだまされて財産を持ち逃げされてしまったのです。
　傷んだ馬車を修繕するお金を作らないと、お父さんは親方から仕事を回してもらえません。
　そこで少女は、なけなしのお金でお米を買っておせんべいを焼き、町に売りに来たのです。

　少女が声を枯らしても、街を行く人たちはふり向いてくれません。
　疲れ果てた少女は、建物の階段に腰かけて売り物のおせんべいを一つ口に運びました。
　口の中におしょうゆの香りが広がると、小さい頃の幸せな思い出がよみがえってきました。
　一家揃ってお父さんの馬車で新年のカウントダウンに出かけ、その年の最初の夜明けをむかえた
光景が少女の目の前に広がりました。
　幸せな思い出に包まれた少女は、そのまま目をとじて動かなくなりました。

　どのくらい時がたったのでしょうか。
「お嬢さん、そんなところで眠っては風邪を引くよ」
　その声に眠りから覚めた少女の目に映ったのは、自分を取り囲むおおぜいの人たちです。
「おいしいおせんべいを買いに来たんだ。さあ、売っておくれ」
　みんなはおせんべいを買って、少女の一家の窮状を救おうと町中からから駆けつけたのでした。
　瞬く間にカゴの中は空っぽになりました。
「こんなにおおぜいの人が……。本当にありがとうございます」
　涙ぐみながらお礼を言う少女にみんなは口々に答えました。
「俺たちこそ、君のがんばりに勇気づけられたよ。むしろお礼を言いたいのはこっちのほうさ」

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　次の日、マンガを返しに来たアメリー君にニホンちゃんは聞きました。
「で、ご感想は？」
　アメリー君は答えました。
「全米が泣いた」
解説 U-33 ◆JOCEixq6zU 投稿日： 2006/12/23(土) 14:44:38 ID:qKuyHi/w: （ソース）
アメリカ版「フランダースの犬」はハッピーエンドなんだそうです。
http://www.melma.com/backnumber_597_1582544/
銚子電鉄パニック「ぬれ煎餅買って！」で注文殺到、在庫カラカラ　目標５億円「まだまだ」
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/other/29408/
あの銚子電鉄、「ぬれ煎餅」収益で電車１両を補修！
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/32257/
ぬれ煎で車検費確保　初日の出運行めど　銚子電鉄
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/topics/32395/