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第23話 みちのく湊 ◆tWJGbDFyyk 投稿日: 2006/01/30(月) 07:05:58 ID:MaXf+OPe
「平和の使者? 悪魔の手先?」


「どうしよう… ニホンちゃん…」
「どうしたの…?」
給食の時間。机を向い合わせにして仲良く箸を進めて2人でしたが… 楽しい給食なのに、タイワンちゃんはなにか深刻な顔ですねぇ。
「んー…とね? ニホンちゃんの家にって、パンダのぬいぐるみあるよね?」
「うん、あるよー? うちじゃ作ってないんだけど、昔チューゴくんのお家から貰ったんだって。お互いの家の友好の印だーって」
「そ、そうなんだ… …ねぇ、かわいい…?」
「うん、かわいいよ? モコモコしてて チューゴくん一体どういう作り方してるんだろ、パンダのぬいぐるみ作るの上手なんだよねぇ」
「そ、そっかぁ…」
ふぅ、とため息がクリームシチューを… 重いシチューを揺らしています
「どうしたの…? 悩みがあるなら聞くよ?」
「うん… あの…」
「やぁ タイワン! パンダのぬいぐるみができたアルよ!」
と、そこへやってきたのはチューゴくん。細長い目の奥からアヤシイ光が漏れています。
「…あたし、まだ貰うって言ってないんだけど…」
「なにも遠慮することはないアルよ 朕とタイワンの仲ある」
馴れ馴れしくもチューゴくんの手がタイワンちゃんの肩に置かれます。普段なら振り払うところですが…
「これがその写真アル!」
「はぅ!!」
「わぁっ! かわいぃ〜♪」
チューゴ君が懐からもったいぶりながら出したのは、パンダのぬいぐるみの写真だった。
「わぁ〜 モコモコだぁ〜♪ タイヤに抱きついてるのかわいぃ〜♪」
「た… たしかに… か… かわいい… よね…」
「それに、名前ももう付けてあるアル。団団と円円アル。」
ニホンちゃんは無邪気に褒めているけど、タイワンちゃんはため息混じりです。
「うぅ… けど、スイヘンパパは貰っていいって言ってないし… それに団団と円円って… (こ、魂胆が哀しいほど透けて見えるぢゃない…)」
眉間に皺が寄りますが、しかして視線は完全に写真に釘付けです。チューゴ君はチューゴ君でひらひらと振るものだから、タイワンちゃんの
目も左右に行ったり来たり…
「もうすぐ正月アルね。それまでにはちゃんとした返事が欲しいものアルねぇ〜」
「あぁっ!」
無情にも写真は再びチューゴ君の懐の中に戻ります。しかもまたかなーりもったいぶりながら… 性格悪いですねぇ。
「そこっ! うるさいアルねっ! まぁタイワン、良い返事を期待しているアルよ!」
勝ち誇ったような高笑いを残しつつ去っていきました。

「かわいかったねぇ〜 パンダ♪ …タイワンちゃん? ねぇタイワンちゃん?」
「ホシイ…ケド…ホシイ…ケド…」
「タイワンちゃーん おーい」
「どうしたらいいのよぉーうっ!!」
タイワンちゃんの叫びに、早く食べ終わって外にサッカーしに行く男の子たちがビクっと振り返ります。
(こういうのなんて言うんだっけ… 痛し痒し? 帯に短し襷に長し? 違う…かな?)
 苦悩する親友を眺めつつ、シチューを口に運ぶニホンちゃんでありました。




 ということで、中国発パンダ作戦です
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060129-00000028-mai-int
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060127-00000011-maip-int
 なかなかどうして巧妙ですよね。綺麗な花束の中に毒草を隠している感じで… まぁせこい手ではあるけども…
 …相変わらずウリの書く話にはカンコが出てこないニダ (ぉ

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