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第24話
青風 ◆BlueWmNwYU
投稿日: 2006/02/02(木) 01:43:40 ID:XoGVq30V
「隣人と弟」
ぐすん、ぐすん。
ニホンちゃんの部屋で、ウヨ君が声を殺して泣いています。
あまり泣く事の無い弟のこと、ニホンちゃんも心配でなりません。
本を読む手も疎かに、ちらちらと、ウヨ君のほうを見てばかり。
気が付けば、右のほっぺたに見事な手形が鮮やかについています。
「喧嘩でもしたのかしら」
ついに思い切って問いただしてみるも、押し黙って泣き止まず。
それでも何でも話し合える姉弟のこと、ぽつりぽつりと
語り出した話の内容にニホンちゃん、呆れるやら腹が立つやら。
翌朝、ニホンちゃんは待ちかねたように、
チュウゴ君に話し掛けました。
「ねぇ、チュウゴ君、ちょっと良いかな?」
「ふん。ニホン鬼子あるか。お前とは当分話をしないと、」
云ってある筈アル、と続けようとするチュウゴ君の語尾に被せて、
「昨日、武士がラスカちゃんと喧嘩して、叩かれたのよ。
『この浮気もの、大っ嫌い』って」
勤めて冷ややかにニホンちゃんは言いました。
「ほほ、痴話喧嘩アルか。ウヨの奴もどうしてどうして。
しかし、我には関係の無い事アルな」
冷静に、狡猾に、酷薄に。
チュウゴ君はまるで心当たりが無いような顔をしています。
ふうっ。一呼吸して、ニホンちゃんはさらに続けます。
「ねぇ、チュウゴ君。香ちゃんに何をさせたの?」
静かな、それでいて張り詰めた雰囲気に、いつしかクラスの全員が
息を呑んで二人のやり取りに聞き入っていました。
「香ちゃんと二人でいる写真、誰が写したの?
結局、ラスカちゃんは、どんな写真見せられたのよ?
武士に家の物を持ち出すように脅かしたの、何故よ?」
ニホンちゃんが言い終わると、チュウゴ君はすっと、目を細めました。
「我は妹のプライベートには口を出さない主義アル。
だから、二人の間の事はあい関せぬアル。だが、」
ここでニヤリと薄笑い。
「あまり騒ぐと、ウヨの為にならぬ話をせねばならんアルな」
写真って何よ。そこまでやるのか、あいつ。案外ウヨの奴って。
ざわざわ、ざわざわ。ひそひそひそひそ。
クラスのみんなが、囁きあっている中、
雰囲気を無視するように、陽気に声をかける者が有りました。
「YO、ニホン。喧嘩なんて、お前らしくないぜ、ハニー?」
アメリー君の声にも、ニホンちゃんは頑なな表情を緩めません。
それにも気づかぬかのように、アメリー君はやや強引にニホンちゃんの
両肩を後ろから抱え、回れ右させます。
「何にせよ、ご近所同士ってのは、仲良くしないとなぁ」
ニホンちゃんをみんなの注目の輪から連れ出しながら、
そうだよな? と、視線をでチュウゴ君に投げるアメリー君。
チュウゴ君は、眉毛一つ動かしませんでした。
「お前の喧嘩は、いつも直球過ぎるんだYO」
身に十分覚えのあるアメリー君の言葉には、説得力があります。
だって、と、言いかけるニホンちゃん。
「いいかい、それなりの駆け引き、準備ってもんが必要なんだ。
お前に足りないものは、俺がちょっとは面倒見てやる。だから」
ここで天使のようなスマイルとウインク。
「俺の家の牛、よろしくな?」
解説
青風 ◆BlueWmNwYU
投稿日: 2006/02/02(木) 01:49:06 ID:XoGVq30V
解説、コジツケ、言い訳
さて、今回の元ネタ。
1.上海総領事館、外務省職員の自殺にかかわる一連の騒動。
2.ゼーリック米国務副長官の日中間のわだかまりに対しての
懸念表明。
(3.米国産牛肉、輸入再開に関するひと悶着)
です。
米国国務長官の懸念表明、なんてものは、当然日本だけへのメッセージでは
ありえませんので、あえてこんな表現にしてみました。
確かに、日本はこの手の絡め手の喧嘩は得意じゃないですね。
という訳で、また近いうちに。
ノシ
上海総領事館員自殺 首相へ情報上げず 「外務省の責任で対応する」
ttp://news.goo.ne.jp/news/sankei/seiji/20060112/m20060112004.html
米副長官、靖国参拝に懸念(共同通信)
ttp://newsflash.nifty.com/news/ta/ta__kyodo_20060201ta011.htm
おまけ。ニホンパパがこんなキャラだったら嫌過ぎ。
つーか、ウヨ君、何も相談したくないだろうな。
ttp://newsflash.nifty.com/news/ts/ts__fuji_320060201032.htm
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